チェーンソーによる木彫で矢口られる彫刻家の戸谷成雄(64)の近作や新作を集めた展覧会が27日まで、静岡県長泉町のクレマチスの丘・ヴァンジ彫刻庭園美術館で開かれている(水曜休館)。
空洞の箱の表面性を問うような新作「洞穴の記憶」や高さ12Mの「雷神−09」など多彩な10点の中でも際だっているのが、「森IX」(2008年)だ=写真。
ささくれ立ち、うねるような表面を持った高さ2.2Mの柱が、30本並ぶ。長い影を落とし、森というより、人の群れか。それも表面をそぎ落とし、内面だけが残った人の芯のイメージだ。
手の跡が残る桂同士が響きあい、その間を歩くと招かれる感覚に。人間やものが存在することの意味を考えさせられる。 (大西若人)
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