2012年7月29日日曜日

オープンカレッジ第2弾!

夏のオープンカレッジはまだまだ続きます。
第二回目は8月3日(金)12:00〜
講座は「魅力的な作品づくりのために〜画材と素材」です。




















作品制作においてまず私たちが識らなくてはならないのは、作品を作り上げるために必要となる道具達です。
この講座では最も馴染みの深い画材としての「鉛筆、紙、消ゴム」に始まり、「絵具、パステル、色鉛筆、」といった、基本となる画材を経ながら、「イーゼル、パレット、ペインティングナイフ」など、画材と名のつくものならあますところなくを一挙に紹介していきます。
その道具たちは実際に扱っていくことで、だんだんと自分自身のイメージを正確に映し出すツールとして身体に馴染んでいきます。さらに、その画材そのものが私たちに創作の手がかりを教えるまでになるのです。
画材は単なる道具である同時に、ついには自分自身の身体の一部となる。そのときに道具と一体となった「作り手」が生まれるのではなかろうか。
講座では画材と同時に各画材で作られた様々な作品も紹介していきながら、作品と画材の関係に迫ります。

2012年7月24日火曜日

オープンカレッジでお待ちしています。

いよいよ明日から美術学科の夏のオープンカレッジが始まります。
講座を実施する教室も作品の展示が完了し、万全の体制を整えて皆さんの来校をお待ちしています。

美術は自由な表現の場です。自分の考えや想いを自分だけのやり方で表現していくこと。
その為の方法を探しにきて下さい。
時代は今、私たち一人一人の力強い創造力を求めています。
自分自身の想像力で自分の望む世界を創造して下さい。美術学科はそのための最大限のサポートをしていきます。
自分の人生の主役は自分自身です。自分が本当に望む未来をイメージしたとき、世界は動き始めます。




2012年7月21日土曜日

オープンカレッジ第1弾!



いよいよ学科別オープンカレッジの始まりです。
「美術学科」オープンカレッジ第1弾は7/25(水)12:00からです。

「描きたいもの」を描くためのデッサン

「美術」とは平面作品も立体作品も、写真・映像から空間そのものを含む、とても大きく広い領域を抱え込んでいます。その中で作品を創ろうとする時、まず一番重要なことがなんであるかと云うと、それは自分の「眼」が何をどう視て、どう感じるかということです。
デッサンとは、その「眼で視ることは解ること」であることのしっかりとした理解であり、その理解を自分自身の手によって、紙の上に実践することだと考えます。頭の中に描きたいイメージは沢山生まれてきます。そのイメージをしっかりと描き起こすには、「眼」と「手」を繋げることしか無いと思うのです。この講座では、デッサンの考え方を丁寧に説明し、モチーフ(対象)を実際に描いてみます。まずは手を動かしてみること、これしかありません。
(講座担当 建石修志)

2012年7月20日金曜日

美術学科前期授業も終了。

あっという間に前期も終了し、夏の休みへ突入。
演習「磁力を巡る」の作品も、講堂前に一挙展示!












前期はモノクロームに絞っての作品制作、それぞれ工夫の跡が見える。
講師陣も夏のオープンカレッジに向けて、「お疲れさま!」と「がんばるぞー!」
と乾杯したのでありました。


オープンカレッジ、どしどし参加を待っています。

2012年7月16日月曜日

坂本龍一さん「電気のため、なぜ命を」都心で脱原発デモ


【動画】さようなら原発10万人集会
「さようなら原発10万人集会」の会場からデモ行進に出発する参加者たち=16日午後1時40分、東京都渋谷区の代々木公園、朝日新聞社ヘリから、上田潤撮影
ステージ上から発言する大江健三郎さん(右手前)=16日午後、東京都渋谷区、関口聡撮影
会場の代々木公園には多くの参加者が集まった=16日午後、東京都渋谷区の代々木公園、関口聡撮影、超広角レンズ使用
会場の代々木公園からデモ行進する参加者たち=16日午後1時42分、東京都渋谷区の代々木公園、朝日新聞社ヘリから、上田潤撮影

 「脱原発」を訴える大規模な市民集会「さようなら原発10万人集会」が16日午後、東京・代々木公園で開かれた。ノーベル賞作家の大江健三郎さん (77)らが呼びかけた署名運動「さようなら原発1000万人アクション」の一環。約17万人(主催者発表)が全国から集まり、原発の再稼働に踏み切った 野田政権に方針撤回を迫った。
 「たかが電気のためになんで命を危険にさらさないといけないのでしょうか。子どもを守りましょう。日本の国土を守りましょう」。集会は午後1時、呼びかけ人の一人、音楽家の坂本龍一さん(60)のあいさつで始まった。
 続いて壇上に立った大江さんは、6月15日に約750万人分の署名の大半を野田佳彦首相あてに提出した翌日に野田政権が関西電力大飯原発の再稼働を決め た経緯に触れ、「私らは侮辱の中に生きている。政府のもくろみを打ち倒さなければならないし、それは確実に打ち倒しうる。原発の恐怖と侮辱の外に出て自由 に生きることを皆さんを前にして心から信じる。しっかりやり続けましょう」と訴えた。
 「冥土のみやげに皆さんの集まった姿を見たかった」。こう切り出したのは作家の瀬戸内寂聴さん(90)。「政府への言い分があれば、口に出していいし、体に表していい。たとえ空しいと思う時があっても、それにめげないで頑張っていきましょう」
 会場では音楽ライブやトークショーも開催。参加者は午後2時に集会が終わった後、渋谷など繁華街を「再稼働反対」と声を上げながらデモ行進した。
 集会は、原水爆禁止日本国民会議(原水禁)が中心となって開催。労働組合の旗がたくさん掲げられるなか、手作りのプラカードを掲げる参加者も目立った。 参加者数は担当者が分担して会場入り口の約10カ所で目測で数えて合計したという。昨年9月に東京・明治公園で開催した集会には6万人ほどが集まったが、 今回はその規模を上回り、東京電力福島第一原発事故に関連した集会では最大規模としている。警視庁は公式発表していないが、関係者によると、把握した参加 者数は約7万5千人だったという。
 東京の集会に呼応し、各地でも集会やデモ行進があった。(澄川卓也)

2012年7月5日木曜日

しつけに効く!?地獄絵本(704asahi)

口コミで売れ行き倍増

 悪いことをしたら地獄へ落ちるぞ。こわーい地獄絵とともに説いた絵本が、売れている。
半年で10万部 
「読んだ後、子どもが言うことを聞くようになった」。そんな評判が広がり、若い母親らが買っていくという風涛社の「絵本地獄」 (1575円、宮次男監修)。総合オンラインストア・アマゾンの今年上半期の絵本部門ランキングで1位になるなど、とにかく売れている。
 発行は1980年。昨年末まで約30年間の捨売り上げは約11万部。年間3千部売れればいい方だった。
 それが昨年11月、東村アキコさんの育児マンガ「ママはテンパリスト」 (集英
社)で紹介されると、口コミやネットで話題になり、直後から売れ行きが倍増。一時は品薄状態になった。この半年だけで約10万部が売れた。社長の高橋栄さん(47)も「正直、戸惑っている」と話す。
 本を企画したのは、先代の社長で高橋さんの父・行雄さん(81)。当時、いじめ
が社会問題化し、子どもが自ら命を絶つ事件も起きていた。「命を粗末にしては
いけない。死について考えて欲しい」との思いで出版したという。
 千葉県南房総市の延命寺所蔵の、江戸時代に措かれた絵巻物の迫力のある地獄
絵を使い、美術史家の故・宮次男さんの監修で、独自のストーリーを考えた。
 地獄行きを命じられ、鬼が人の体を切り刻むといった恐ろしい光景を目の当こ
りにした主人公が、「命を末にしたり、人を悲しませたりはしない」と行いを改
める−。これまで「残虐すぎる」といった批判はない。実際に読み聞かせた人からは「何度見ても泣く子もなぜか『また見たい、読んで』と言ってきます」などの感想が寄せられている。
手法に慎重論
 ただ、幼い子に怖い絵を見せて言うことを聞かせるやり方には慎重論もある。
 恵泉女学園大大学院の大日向雅美教授(発達心理学)は「恐怖を与えて、悪
いことをしないという結果を求めるのは短絡的だ。なぜしてはいけないのかを自
分で考える過程が大事」。判断能力が発達する小学3、4年生以上を対象に読み聞かせるべきだという。
 別府大学の中村広光。幼児・児童教育研究センタす長(臨床心理学)は、「言
うことを聞かないと鬼が来るぞ」などと怖がらせて子どもをしつける方法は昔か
らあったと指摘。深刻なトラウマになることはないが、子どもの性格にも配慮
した方がいいと勧める。「臆病な子にはあまり怖がらせないように声色を変え
るなど、子どもとコミュニケーションをとりながら読んでみては」 (北林晃治)

2012年7月1日日曜日

ロンドン   ダミアン・ハースト展(627asahi)

生と死 四半世紀を回顧

 英国の現代美術家の中で一番有名なダミアン・ハースト(1965年生まれ)の初の大規模回顧展が、テート・モダンで開催され、話題を呼んでいる(9月9日まで)。
 ハーストは英国中部リーズで育ち、ロンドン大学在学中の88年に自主企画展を主催し、頭角を現した。90年代にサメなど動物の死休を丸ごとホルマリン漬けにした作品は、「これが芸術か」と論議を巻き起こした。が、現代美術のパトロン、チャールズ・サーチ氏が援助し、やり手のホワイト・キューブ画廊が作品を売り一挙に成功を果たした。93年にはベネチア・ビエンナーレにに英国代表として出展、95年にはターナー賞も授賞した。今春のサンデー・タイムズ長者番付によれば、推定資産は2億1500万ポンド(約278億円)で、世界で最も豊かな美術家だと言われる。
 今回は、縦に真っ二つに切断された牛と子牛をホルマリン漬けにした作品、ガラスケースの中で牛の頭にウジ虫がわき殺虫灯で殺されるという作品、薬局用の薬棚に薬のビンが並べられた作品など70点が展示されている。中でも注目されるは、21
年ぶりに展示される生きたチョウを部屋いっぱいに放ったインスタレーション「イン・アンド・アウト・オブ・ラブ」やフライパンに鮮やかなペンキを塗った作品など、めったに見る機会のない初期の作品群だ。
 「芸術作品としての価値なし」 「ペテン師美術」などハーストヘの批判は後を絶たない。だが、テレグラフ紙の美術評論家リチャード・ドーメント氏は、「ハーストの美術家としての偉大さを、もはやとやかく言う必要はないと感じた」と評価
し、意外にも他紙の展覧会評もおおむね好意的だった。
 四半世紀にわたる作品を総合的に見せることによって、「生のはかなさ」「死への恐怖」「存在の不条理」という彼のテーマが、やっと理解され始めたようだ。
今回はキャリア前半を振り返る回顧展、真の評価は彼がキャリア後半に何を作るかによって決まる。  (菅伸子・ライター)

「局部を調理」告発へ(625asahi)

東京都杉並区のライブハウスで、芸術家の男性が手術で切り取った自分の性器を調理し客に食べさせるイベントが開かれた問題で、杉並区が25日、この男性らを警視庁にわいせつ物公然陳列などの容疑で告発することが、捜査関係者らへの取材でわかった。
 摸査閲備考などによると、イベントは5月13日夜に開催。入場料は4千~4500円で、71
人の客が集まった。男性が調理した性器が提供され、希望者5人が別料金2万円を支払い試食したという。

時の回廊  安西水丸「青の時代」(626asahi)

一発勝負描き方の原点
 団塊世代の青春時代、雑誌「ガロ」があった。あの時代、「ガロ」は日本の漫画表現の先頭を走っていた。そこから単行本『青の時代』 (1980年)が生まれ、
安西水丸というイラストレーターも生まれた。日々起こる様々な事件を、白身が育った港町の風景と共に描き出した作品は、いまの安西を形作る原型となった。

 僕が平凡社に勤務していたころ、嵐山光三郎さんの小説「怪人二十面相の墓」を漫画化しました。嵐山さんが僕に「絵、措ける?」と聞いてきて「絵なら描けますが」と応じたら、「文章を書いているので一緒にやらないか」となった。その後3年間、「ガロ」に読み切りで連載をしました。この時は自分でストーリーも考えた。それが初の単行本『青の時代』になりました。
 米ニューヨークで働いていたころの話を描かないかと言われたけれど、外国に行ったことのない人にとって、それはあまり興味のないこと。だったら、海があって、母がいて、土地の仲間がいて……という子どものころ育った、南房総の休験の方が措きやすいと。そういうのは誰もが体験しているし、共有しやすいと思いました。「ガロ」の担当編集者だった南伸坊君から「明日、締め切りです」と電話があると、平凡社の地下の図書館にこもってストーリーを考える。まず最後のシーンを考え、それに合わせて話の流れを作っていき、1時間ほどかけて完成させて、先に文章を渡す。帰宅後、午後11暗くらいから午前5時までかかって絵を描き上ける。翌日は徹夜で会社に行く。そんなふうに二足のわらじをこなしていました。
 『青の時代』は僕のイラストレーションの基になっていると思っています。漫画は、風景、人間、乗り物といろんなものを描かなくてはならない。描いていくうちに、いまの画風が出来上がったと思います。便いこなすのが難しいと言われる「丸ペン」も、使っているうちに独特の線が出てきたし、筆圧、インクの量、ペンの紙へのあたり方がわかってきた。
 イラストレーションを描くときに大切にしているのは、「がんばろうと思わないこと」。がんばらなきゃ描けないのなら、まだまだ自分は勉強不足だと思っています。素の自分で向き合い、一発勝負。基本的に描き直しはしない。『青の時代』のころから変わっていません。
 「安西水丸」というペンネームも、このころ決めました。嵐山さんが白分の名前が「あ」で始まるから、僕にも「あ」から始まる名前を勧めた。それで、祖母の名字「安西」に決めました。「水」という漢字の、アンバランスでものかなしい感じが子どものころから好きで「水丸」に。この名前を面白がって、仕事を頼んでくれた編集者もいます。
 僕の知り合ったころ、林真理子さんはコピーライターだったし、柴門ふみさんはお茶の水女子大の学生だった。村上春樹さんもそうだけど、嵐山さんも、南君も、単行本『青の時代』の編集担当だった渡辺和博君も知り合った人たちがみんな偉くなっていく。その流れに乗ってここまできた感じです。
 大学で講師を務めたこともあるけれど、日本の美術教育は石膏デッサンをやり過ぎる。「うまい」 「下手」を重視しすぎていると、その子にしか描けない絵が描けなくなる。教養を身につけていくうちに見る目を失っていく。「有名なものイコール良いもの」では困る。少年の目を持った、孤独な観察者であり続けたいと思っています。(聞き手・山田優)


あんざい・みずまる 1942年、東京生まれ。日本大芸術学部卒業。電通、平凡社などに勤務後、フリーに。87年、日本グラフィックデザイン展年間作家優秀賞。