画風に変化野文様個展
「空想の建築」の絵画で知られ、本紙オピニオン面「ザ・コラム」の挿絵も手がける画家の野又穫(56)の個展が開かれている。東日本大震災後の苦悩から生まれた作品群など約20点を展示している。
懐かしい未来を思わせる画風だったが、「blue construction」シリーズには、叙情性や物語性を排した、幾何学的、抽象的な建築が寒色で描かれるものが多い。ロシア構成主義あたりのデザインとも、通じている。
建物を描いてきた身に震災や原発事故は響き、「ゼロから始めるために」立方体を積むような表現にしたという。青系の色に政治家や電力業界、メディアを覆う憂いを重ねつつ、社会に向き合ってきたデザインに通じる描写で「希望を表現できたら」とも考えた。そんな現在の心境を伝える展示になっている。
▽29日まで、東京・外神田のアーツ千代田3331内の佐賀町アーカイブ。木~日曜のみ開廊。
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