2014年4月4日金曜日

津波で傷んだ写真の「記憶」(326asahi)

東京でアートプログラム


 東日本大震災による津波で流された約2千枚の写真を用いたインスタレーションが、東京・池袋の東京芸術劇場アトリエイーストで展示されている。震災をテーマに同劇場で開催中のアートプログラム「MOVING DISTANCE2579枚の写真と11通の手紙」(16日まで)の一部だ。
 「記憶の壁」と名付けられた展示作晶。約2千枚は全て宮城県山元町で流され、その後、回収・洗浄された写真だ。表面が溶けかかったもの、真っ白になつたもの。あるべきはずの図像の「欠落」が、その時シャッターを切った人、写された思い出の存在を、かえって強く意識させる。
 プログラムは、この写真をコンセプトとした映像や詩、サウンドインスタレーションの展示とぅイブや朗読公演で構成される。企画した佐藤道元さんは「アートというフィルターを通すことで直感的に理解できることがあるのではないか」。
 9日には、元AKB48の仲谷明香が劇作家・草屋白玉の新作を、15日には詩人・和合亮一が音楽と共に「廃炉詩編」と「詩の礫」を朗読する公演がある。ライブや朗読は一部を除き有料。問い合わせは同劇場ボックスオフィス(0570010296)へ。(増田愛子)

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