2012年6月8日金曜日

マックス・エルンスト展(606asahi)

シュールレアリスムにうかぶ現代性

 シュールレアリスム(超現実主義)の代表的な画家、マックス・エルンスト(1891~1976)の大規模展が24日まで、横浜美術館で開かれている(10月に宇都宮美術館へ)。約150点からは、シュールレアリスムの特質と現代性が味わえる。
 エルンストの最も特徴的な手法は、木や石の表面に;紙をあて鉛筆でこすり出すフロッタージュ。これによって、シュールレアリスムが求めた意識下のイメージをとらえようとした。
 油彩画にも、こすり出した木目のイメージなどを使ってきたが、代表作の一つ「三木の糸杉」にも、そんな感覚がある。
 4分割された画面に3本の糸杉。しかし形は、杉というより怪しい物体に見える。そこに全く異質な質感が貼り付けられ、徹底的な異化がはかられている。
 グラフィックな感覚や別の図像を貼り込んだCG的ともいえる処理も楽しい。

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