エスカレーターや階段といった硬質な都市風景をとらえた写真−。平久弥(1960年生まれ)の個展に並ぶ14点の多くは、印刷物やネットで見た場合はもちろん、現物を前にしても、少し離れていれば写真にしか見えない。だが実際は、絵の具で措かれているのだ。
近年、国内では人物などの精細な写実に情感を込めた表現が注目を集めるが、平の表現は、主観を排したフォト・リアリズムの系譜か。70年代の米国を中心にした動向で、写真という覆製物をそっくり描き、ポップアートに近いとされる。
平は、ガラスの透明感や金属の光沢といった絵の具では実感描写の難しそうな対象まで、見事に再現。都市の写真化の絵画化というコピーの反復の結果、写真か絵画か見分けるには、展示場で現物を凝視するほかない事態に。デジタル時代にローテクな超絶技巧によって、ひと昧違う“オリジナル信仰小が生まれる可能性も漂う。
(大西若人)
▽26日まで、東京・広尾5の19の4 1223現代絵画。月、火曜休み。500円。
今朝、テレビで紹介されているのを観ました。大阪で開催されないんですか?
返信削除残念ですが、情報を入手出来ておりません。
返信削除そちら方面での、チェックをお願いします。
よろしくお願いします。