2011年9月17日土曜日

色鉛筆画10年かけ大成(9/17asahi)

黒坂圭太が長編アニメ



 赤ん坊のような婆の食物「MIDORI-KO」を巡り、カエルや魚のような奇怪な人物たちが争奪戦を繰り広げる55分のアニメ「緑子/MIDORI-K0」が、24日から東京・渋谷のアップリンクXで公開される。実験的な短編などを手がけてきたアニメ作家の黒坂圭太が、10年の歳月をかけ、独りで3万枚超の原画を描き上げた。
 「女の子と怪物が当たり前のように日常を過ごしている、というイメージが発端。その世界に『MIDORI-KO』という異物を放り込むことで、『いのち』がテーマの長編へと膨らんだ」と黒坂。
 「10年間、何度もくじけそうになったが、プロデューサーが『この場面は来週までに』と細かな締め切りを決めて、怠け者の私の尻をたたいてくれた」
 色鉛筆のぐねぐねした線を重ねて措いた街並みやキャラクターは、温かく肉感
的でユーモラスだ。「最初の2、3年は絵の具を使っていたが、画面が重くて暗い。全部捨てて色鉛筆に切り替えたら、突き抜けた感じがした。欲望を思い切り解放するラストに行き着くことができた」
 登場人物たちは盛大に食い、盛大に出す。「私自身、食べるのが好きで、ギリギリまで我慢して排泄するのが好き。ため込んだものを解放するというのは、創作にも通じます」(小原蔦)

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