ひるまず、問いかけてみる
「何でもあり」で「超多様」な現代アート。では、私たちはこれをどう見ていけばいいのでしようか。ここでは二つのコツをご紹介しましょう。
第1のコツは「わからない」にこだわらないことです。現代アートの作品は何を表現しているのかわからないものがよくあります。そのため、わからないことに引っかかってしまうと、そこから先へ進めなくなってしまいます。そこで、わかる・わからないはさておき、現代アートはもはや何でもありなのだと割り切って見、感じるようにするのです。それが突破口になります。この方法は、美しいかどうか、ほんとうに値打ちがあるのかどうか、そもそもこれがアートといえるのか、など、さまざまな観点に応用できます。
第2のコツは、作品に「問いかけ」てみること。現代アートの作品はただ見ているだけではピンとこない場合があります。そういうときは作品に対して「問いかけ」てみると、とたんに作品が何かを語り出したりします。写真はアニツシュ・カブーアの不思議な作品ですが、たとえば、「なぜ、このコンクリ−トの壁に黒い楕円が必要だったのか?」と問うとします。すると「黒い楕円がなかったらどうなっていたか?」とか「赤い楕円だったら?」というふうに、作品に迫る“取っかかり小が得られます。そして、その“取っかかり"をもとに見方を深めていくことができます。
現代アートを見るのに受け身は禁物です。能動的に作品と向き合うことで真価が見えてきます。ぜひ、あなたも「わからない」にひるまず、現代アート作品に何かを「問いかけ」てみてください。(アートライター)
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