2011年1月29日土曜日

菅原優個展 ■部屋にあるドラマ-DRAMA IN THE ROOM-■

美術学科で講師を勤める菅原優の展覧会です。

菅原優個展
■部屋にあるドラマ-DRAMA IN THE ROOM-■
2011.1.29(土)~2.10(木) 〈2.6(日)休廊〉
平日 11:00~19:00 日曜 12:00~18:00

青木画廊
〒104-0061 東京都中央区銀座3-5-16 島田ビル2F
TEL 03-3535-6858
FAX 03-3567-3944
E-mail info@aokigallery.jp
http://www.aokigallery.jp

「何気ない部屋の中
 繰り返される日常のその中に
 私たちの決定的な“ドラマ”がある
 私というのはむしろその“ドラマ”のことではなかっただろうか!?




2011年1月13日木曜日

◆1月15日(土)オープンカレッジのお知らせ

「アナログとデジタル、その相互作用を探る」担当講師:亀井清明

絵画作品の制作と、仕事としての3DCGクリエーションのとの繋がりについて、実際の作例等をもとに解りやすく解説します。

冷静に美術と向き合う(113asahi)

神野真吾さん(43)千葉大学准教授


 美術って何だ。特別なものなのか? 自らと周囲に問い、走り続けている。
 主舞台は、5年前から実行委員長を務める千葉アートネットワーク・プロジェクト(W・1CAN)。芸術学を教える千葉大を母体に、地域社会と美術館、アーティストらがともに活動する。
 今年度のテーマは「学校」。あえて「美術ありき」ではない現場で、学生に調べ、考えさせた。その成果としての空き教室の活用法を、建築案の模型などとともに、千葉市美術館のプロジェクトルームで2月4日まで展示している。
 「文化をつくる」というれっきとした授業の一痍でもある。教養科目なので学生の専攻は様々で、「だから美術に冷静な距離を置ける」という。それは、冒頭の問いに向き合う姿勢でもある。
 美術やアートというだけで無批判に受け入れがちな空気に疑問を抱く。「例えば西洋の名画のような実は、美術のほんの一部。むしろ視点をずらしたり、異なる側面から光を当てたり、時に抵抗感さえ拘く『オルタナティブな価値』を示すことが重要だと思う」一方、各地でアートプロジェクトが「オルタナティブ」としてもてはやされる現実に「安上がりな地域イベントと化していないか」とも。むろんW・ュCANもうまくいくばかりではなく、報告喜に悔しさをにじませた年もあった。
 それでも「美術を通じて人は様々な人やものとつながり、変わる」と手応えを感じている。自身、学生時代にドイツの伝説的な現代美術家、ヨーゼフ・ボイスの作品と出合って気づいたことだ。
 美術による「つながり」の可能性を伝えようと、美術教育誌への執筆など教育の視点からも横板的に発言する。「学校」のプロジェクトは腰を据えて取り組むことになりそうだ。   (小川雪)

展覧会2つ

美術学科主任の建石修志参加の展覧会を二つ

●「セブンティーン、17歳─思春期に思うこと」

2011年1月11日(日)~21日(金)日休み
ギャラリーエフ
渋谷区千駄ヶ谷4-19-7さくらマンション2F
03-3475-4878
http://www.tokyo-ef.com/

●「YUI COLLECTION 1988~2010・BOX OPERA petit」

2011年1月31日(月)~2月9日(水)日休み
港区南青山3-4-11ハヤカワビル1F
03-3479-5889
http://www.spaceyui.com/

2010年12月19日日曜日

展覧会3つ

建石修志が参加している展覧会のお知らせ

●2010年12/16~25 日曜休廊
南青山3-4-11
スペース YUI
BOX OPERA V
北東採石図譜 「fig.」
北見隆・東逸子・建石修志

展覧会のお知らせ
●2010年11/29~2011年1/8
中京大学アートギャラリー C・スクエア
休館日曜・祝日 12/24~1/5
「鉛筆画の世界」展
秋山泉・木下晋・鴻池朋子・篠田教夫・建石修志・真島直子・安冨洋貴の7人

●2010年12/4~14
弘文堂画廊
「五線の会」展
門坂流・柄沢斉・多賀新・建石修志・坂東壮一
帯広市西2条南9-6六花亭本店3F
水曜定休
●2010年12/7~29
神田日勝記念美術館
門坂流・柄沢斉・多賀新・建石修志・坂東壮一
北海道河東郡鹿追町東町3-2
会期中無休 入館料一般510円

2010年10月29日金曜日

「不気味の谷」に漂う心(1028asahi)

ロボット演劇2作初演



 名古屋市で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」で、劇作家平田オリザさんとロボット研究者の石黒倍大阪大学大学院教授による、対照的な二つの「ロボット演劇」が初演された。「さようなら」と「森の奥」だ。
 「さようなら」はアンドロイドが病気の女性の気分に沿った詩を暗唱する、約15分の小品。登場した「ジェミノイドF」は滑らかなシリコーン製の肌を持ち、埋め込まれた12の駆動装置が人間そっくりの表情やしぐさを作り出す。
 別室にいる生身の女優の顔や首の動きを取り込み、リアルタイムで表情を変化させる。内蔵スピーカーから流れるのは女優の声。少し眉をひそめた顔や静かに響く声は、自分の意思を持って演技しているように見えた。
 だが終幕後、自動的にまばたきを繰り返す「ジェミノイドF」は不気味なだけ。そこには「心」を感じられなくなった。一方、「森の奥」に登場した「Wakamaru」は、対照的に、いかにも機械的な見かけ。事前に入力した動きやせりふを遠隔操作で調整し「演技」する。音声は人工音で、最初は家電製品が動いているような印象だった。
 しかしカーテンコールでは、誤作動で止まった彼らに客席から微苦笑がもれ、拍手も起きた。精妙な間やタイミングから「心」を読み取るうち、観客は「Wakamaru」自体に人格を感じるようになったのだろう。
 「不気味の谷」という言葉がある。ロボットを人間に似せていくと、人間と見分けがつかなくなる手前でいったん強い嫌悪感を生じさせる現象のことだ。動いてぃる「ジェミノイドF」は谷を挟んで人間側、終幕時は谷底、「Wakamaru」は谷の反対側にいたのかもしれない。
 石黒教授は著書『ロボットとは何か』で「人は互いに心を持っていると居じているだけ」と記している。見かけ上のわずかの差で「人間らしさ」を感じなくなる。一方で外見は機械でも、動作や言葉の積み重ねから「人間らしさ」を感じてしまう。ロボット演劇があらわにしたのは、そんな人間の心のあやふやさだったのではないか。
 「さようなら」は11月10・11日、舞台芸術祭「フェスティバル/トーキョ1」のプログラムとして、垂尻・東池袋のあうるすばっとでも上演される。   (増田愛子)

いま再び写実(1027asahi)

主義から思想へ若手が台頭


 

写実的な絵画が精気を取り戻している。11月3日には写実専門の私立美術館「ホキ美術館」が千葉市に開館し、神奈川県の平塚市美術館では現在、写実を追求した磯江毅の回顧展が開催中だ。ほかにも1960~70年代生まれの世代に、写実に取り組む作家が目立つ。デジカメ写真をパソコン上で簡単に加工・修整できる時代に、なぜ写実絵画なのか。(西田健作)
 ホキ美術館は、現代の写実絵画だけに的を絞った珍しい美術館だ。医僚用品メーカー・ホギメディカルの創業者保木将天さん(78)が館長を務め、自身の約300点のコレクションから常時約160点を展示する。

  展覧会は完売

 保木さんは「この10年で写実が脚光を浴びていると感じる。百貨店で写実の展覧会があれば完売になり、年に1度、コレクションを公開すると1日千人もの人が来るようになった」と話す。
 コレクションの中心は、森本草介、野田弘志、中山忠彦の作品。3人とも1930年代に生まれ、一貫して写実に取り組んできた。森本は理想化した女性像を措き、野田はリアリズムを徹底して追求、日展の理事長でもある中山はアンティーグな衣装をまとった妻を繰り返し描いてきた。
 3人は着実に支持されてきたが、抽象的な絵が主流の80年代まで、大きなうねりになることはなかった。だが、写実に詳しい奈良県立美術館の南城守学芸員は「80年代末から90年代にかけて、公募団体展で活動する若い世代が群れをなして写実に取り組むようになった」と話す。
 特に91年の企画展を通じ、スペインの画家アントニオ。ロペス・ガルシアらの「マドリード・リアリズム」が紹介されたことが大きいという。
「日本では、写実の画家は発想力が無いという目で見られてきた。だが、ロペスらの絵を知ることで、写実に深い思想性を込め、ほかの現代美術の作品に負けないものを措けることが分かった」とみる。
 東京・日本橋にある春風洞画廊の横井彬社長は「芸術性に加えて、マーケットもある」と話す。「大きな美術運動が無くなるなか、中山、森本、野田の成功を見て、若い画家たちが後に続いた」
 描く側はどう考えているのか。若手の代表格・諏訪致さん(43)は「主義で美術を語る時代は終わっている。だから、写実主義の復権ではなく、あるべき絵の方向性を作家ごとに探しているだけ。でも、人の形を描いたら美術じゃないという状況が無くなったことだけは確か」と話す。
 平塚市美術館で個展が開かれている磯江は、マドリード・リアリズムの画家だった。54年生まれで、スペインを拠点に制作、07年に病死した。公立美術館では初個展。静物画を中心に約60点を並べた。担当した小池光理学芸員によると、長時間、絵を見る人の姿が日立つという。小池学芸員は「個性ばかりを主張するのではなく、ストイックに措いていることが分かる絵だからこそ、多くの人に受け入れられるのでは」とみる。
  
作家比べる場

 もっとも、現代の写実絵画が定普するかどうかばこれからだ。ホキ美術蛇の展示には、森本の後を追うような美しい女性を描いた甘美な絵が目立つ。南城学芸員は「美しい女性を措くのなら、なぜ描くのかという問いかけが無いと、単なる売り絵になってしまう」と心配するじ新たな拠点は、作家を比較する場にもなる。写実絵画も選別の時代に入ろうとしている。
 ▽ホキ美術館は千葉市緑区あすみが丘東3の15にある。電話043・2C5・1500、祝日以外の火腿日など休み。平塚市美の「機江毅展」は11月7日まで、月曜休み。