2012年1月30日月曜日

ブリューゲルの動く絵

2011年12月17日より
渋谷ユーロスペースにてロードショー











http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=asAetP_Is-I

2012年1月27日金曜日

展覧会のお知らせ

美術学科主任建石修志が参加する展覧会
宇野亜喜良の自由の女神にイタズラ描きvol.2
2012・2・23(木)~3・3(土)
11:00AM−7:00PM 日曜日休廊 最終日5:00終了
'95年に宇野亜喜良氏が、ドラクロアの「民衆を導く自由の女神」を引用した版画に、様々な形で宇野氏と交差する力強い作家の方々が、コラボレーションし て頂く試みです。自由の意味が痛切に問われる現在、技術力も感性も豊かな方々の作品から、皆様に感じ取って頂ける者があるのではないかと思います。是非お 出掛け下さい。

●出品作家
東逸子、網中いづる、石塚富朗、石橋優美子、卯月俊光、宇野亜喜良、オカダミカ、門坂流、北沢夕芸、北見隆、国井節、シーノ・タカヒデ、島袋千栄、下谷二助、城芽ハヤト、
高橋千裕、建石修志、羽山恵、深谷良−、星野哲朗、松川けんし、松本圭以子、山本じん、横尾美美(敬称略)

SPACE YUI
港区南青山3-4-11 ハヤカワビル1F
03-3479-5889
http://www.spaceyui.com

展覧会のお知らせ

美術学科主任建石修志が参加する
DRAWING EXHIBITION
ドローイング展 1950~70年代を中心に

2/13(月)~2/24(金)  19日(日休廊) 11:00~19:00
銀座 青木画廊 中央区銀座3-5-16  島田ビル 03-3535-6858
http://www.aokigallery.jp
●出品作家
秋吉 巒 「エロスと幻想のユートピア」より
池田龍雄   シリーズ「百仮面」他
門坂 流  「風力の学派」他
金子國義  「O嬢の物語」他
小泉孝司  「手のひらのねこ」より
建石修志  「凍結するアリスたちの日々に」他
藤野一友  「未醒」

2012年1月26日木曜日

フェルメールからのラブレター展

17世紀オランダ会がから読み解く人々のメッセージ
2011 12/23~2012年 3月14日
渋谷Bunkamuraザ・ミュージアム











http://www.bunkamura.co.jp/museum/

謎深き絵本大人がはまる(111asahi)

豪の作家ショーン・タン「アライバル」
解釈自由の非現実世界…震災後にマッチ

 大人がはまる絵本がある。オーストラリアの作家ショーン・タンの『アライバル』。文字のない絵本で震災直後に刊行され、大人の絵本としては異例の2万5千部という売れ行きだ。新刊『遠い町から来た話』(いずれも河出書房新社)も出た。震災後の日本で多くの人が手にとった絵本、その理由はどこにあるのだろうか。
 『アライバル』は、男が妻と娘に別れを告げ、海を渡って見知らぬ土地にゆき、新しい生活を始めるという内容。言葉は一切ない。見開きの大きな絶や、コマ割りした小さな絵の連なりが物語る。精密なタッチで描く幻想的な世界に、奇妙で非現実的な生き物が
溶け込んでいる。
 発売は3月17日。テーマは移民で、2625円は絵本としてはかなり高めだ。社内では「初版の6千部を売り切るのに3年かかるだろう」と言われたという。
 だが、東京・立川のオリオン書房ノルテ店で「大震災でたくさんの方が家や故郷を失いました。その絶望や苦しみを安易に癒やそうとするのではなく、それそのものとしてしっかり受けとめてくれるような力をもった作品です」というポップを売り場でつけたところ
じわじわと売れ始めた。
 先月22日には都内でショーン・タンの講演会があり、490席あるホールは大人でいっばいになった。講演を聞きに来ていた作家の道尾秀介は「明確な答えがないところがいい」と言う。『アライバル』に衝撃を受けて原書も含めてすべての作品を手に入れたそうだ。「どんなふうにも受け取れる。読み手のイマジネーションによって、物語が変わるのです」
 『遠い町から来た話』を翻訳した岸本佐知子も「わからなさ」にひかれる一人だ。「不思議も謎も、ぽんと提示して説明はしない。でも、それでいいと思う。わからない世界で私たちは生きているのだから」
 『遠い町~』は日常にちょっと不思議が入り込む娼の小さな話からなる。岸本はタンの世界を「ちっぽけなものや異質なもの、分類不能なもの、社会の枠組みからこばれ落ちるようなものにまなざしを向け、寄り添っている」と言う。
 1974年生まれのタンは、父が中国系マレーシア人、母がアイルランドー英国系の移民3世だ。自分はどこから来たのか、居場所はどこなのか。「belonging(属する)」というテ
ーマが根底に流れている、という。
 「物語を作っているときは何も考えていないけれど、潜在的にはいつもこの言葉が自分の問題としてあると思う」とタン。現実とファンタジーの境を漂うような作品は、どこか懐かしさを感じさせる。「普遍的なノスタルジー、できれば存在さえないような空想の
場所へのノスタルジーがあるといいと思って描いています。自分で言っていて意味がよくわからないのですが、そんな強い思いがあります」     (中村真理子)

「見えない」部分に魅せられる(125asahi)

東京都写真美術館で「日本の新進作家」展

 次代を担う写真家による「日本の新進作家」展が、29日まで東京都写真美術館で開かれている。今回が10回目で、20~40代の5人の作品70点を集めた。いずれも撮影や写真処理の手法に特徴がある。
 添野和幸は、印画紙の上に物をじかに置き露光するフォトクうムを用いる。ガラス器のビールやウイスキーは、顕微鏡でのぞいた生物の細胞を思わせる。佐野陽一はピンホールカメラ。ぼやけた図像は、記憶の海からたぐり寄せた、おぼろな思い出のよう。春木麻衣子は、露出を極端にして撮影。白や黒で「見えない」部分の多い作品が、かえって想像をかき立てる。
 他の2人は労作。街で撮った写真数千枚を手作業でコラージュする西野壮平と、数十枚を多
重露光して−つの人物像を焼きつける北野謙。撮影から完成までの長い道のりを想像すると、そこに作家の身体が立ち現れる。 (新符祐一)

隠れた真実探す表現(125asahi)

「パリのシュールレアリスム」展

 現代でも十分刺激的なシュールレアリスム。その全貌をとらえようとする展覧会がスイス・バーゼルのバイエラー財団美術館で29日まで開催されている。
 作家は約40人。油絵、写真、映画、オブジェなど290点の作品が、ゆるやかな共通項によ
って数人の作家ごとに各部屋にまとめられる。共通項とは、風景、人物、オブジェ、写真・映画、シュールレアリスム的な作品、運動を支えた2人の女性コレクター。これにダリだけの部屋が加わる。
 「年代的に並べても意味がない。できるだけ作家ごとに作品をまとめ、作風を味わってもらうことに重点を置いた」とヨアナ・ジンポリーン学芸員。
 さらに、シュールレアリスムにおける、オブジェや映画といった表現手段の多様さのほか、表現そのものの多様さを理解してもらおうという意図もある。
 表現の多様さとは、例えば夢を使うことだ。ミロの風景画「修道院」を引き合いに、ジンポリーン学芸員は「シュールレアリスムの作品では必ず具象的な形が描かれる。だが、その形、組み合わせ、配置が非現実的。ここでも木、鳥、人などい構成は作家の頭の中または夢の中で作られている」と解説する。
 シュールレアリストは、ほぼ例外なく第1次大戦に参加し、「大戦は権威者側からの意識レベルの操作によって引き起こされた」と反省。国家や教会を否定する代わりに無意識レベルを解放させ、新しい芸術の表現方法を探った。それが夢や「日常の思いがけないもの同士の出合い」といった表現へ向かわせた。
 地元スイスのメレット・オッペンハイムの「私の看護婦」では、看護婦が履く白いハイヒールが銀皿に逆さに置かれ、ひもで固定されている。ハイヒールは銀皿と出合うことで鶏のもも肉に、ヒールの部分はその骨へと変身する。そして、思いも飛躍していく。もも肉の昧や触感は。看護婦はどんな姿形だろう。本当に親切なのか……。
 こうした連想こそ、実はものの背後に隠れたさまざまな真実を見いだす訓練につながるそしてシュールレアリストが意図したように、国家レベルでの意識操作に対抗していけるのかもしれない。(里信邦子・美術史家)